認定こども園聖ミカエル幼稚園の園長渡部良子です。聖ミカエル幼稚園は、およそ70年前に開園し、その間地域に根差した保育を行ってきました。私もこの幼稚園の卒園生です。

園舎ももう4代目。私は2代目の園舎に通っていました。建物は変わっても変わらないのは、先生たちの温かさ。昔もたくさん紙芝居を読んでもらったものです。子どもの頃は、泣き虫で、引っ込み思案で、目立たない子どもでした。そんな私を、神様は何時も守ってくださり、先生たちは優しく大切に育ててくださいました。それが今の私の根っこを作っていると思います。

　私は13年前まで札幌市内の中学校の教員をしていました。そこでは様々な子どもたちに出会いました。中には、自分に自信の持てない生徒、自己肯定感の低い生徒もいました。私はよく黒板に道がどんどん分かれていく図を描いて「みんなの将来には、無限の可能性があるよ。何通りもの生き方ができるよ。なんでも、本当に願うと、道は開けていくんだよ。」と話したものです。生徒達には、ワクワクした未来を夢描いてほしかったのです。

　私は、大学で、発達心理学を学びました。教員になって、結婚をし、3人の子どもを夫と共に育てました。1２年前に園長にならないか、とのお誘いを受けました。中学校の子どもたちもとてもかわいかったのですが、幼児の発達にとても興味があったので、幼児教育の世界に飛び込みました。園長になってからは、もう一度「人」について学びたくなり、北海道教育大学の大学院に入学し、臨床心理学を学び、公認心理士師の資格を取りました。教員時代には想像もしなかった姿です。かつて生徒に話したみたいに、「願えば叶う」のではないか、と本当に思います。そんな能天気な私を作ったのも、この幼稚園のような気がします。

　子どもたちは、長い人生の第一歩をこの認定こども園聖ミカエル幼稚園で過ごします。子どもたちがたくさん神様と人に愛されて成長し、いつも夢を持ち続ける人になってほしいと願っています。